アニメ「ハナヤマタ」がものすごかった

先日、我が家にようやくnasneを導入しました。勘付く方はわかったかもしれませんが、PS4を全面的に使う体制に移行するためです。これまではPS3+torneという体制でしたが、さすがに7年目の初代60GBのPS3は常用してゆくのはそろそろ心配になってきたので(PS2も動く貴重な筐体として大切にしてゆきたいのです)、nasneのPS4対応を迎えて満を持して、というわけです。

で、今期のアニメを一通り録画予約しておいて、一晩1話+週末もうちょい、というペースでまずは第一話を総ざらいしているところなんですが、ちょっと群を抜いてると感じている作品を、急遽ですがひとつご紹介します。

ハナヤマタ TVアニメ公式サイト(別ウインドウで開きます)


TVアニメ「ハナヤマタ」 プロモーションムービー LONG版 - YouTube

以下、第1話を見終えての感想となります。

作品の概要については、上のプロモーションムービーに譲ります。で、プロモーションムービーを観てもらうとわかると思うんですが、とにかく映像美がハンパじゃないです。上のプロモーションムービーは、組み込みで貼り付けをしてはありますが、ぜひ別ウインドウでYouTube本体で開いて、解像度を「1080p」に設定して全画面でご覧になってみてください。劇場作品ではなく通常のTVアニメでこのクオリティをぶっ放してくるのは、結構尋常じゃないと思っています。キャラクターの描写も含めて、日本の日本らしい雰囲気をこれでもかというぐらい美しく描いていると思います。

制作はマッドハウスです。いや、この作品を観ていて、アニメ版「ねらわれた学園」の雰囲気にすごく近いなーとは思っていたんですが(舞台がほぼ一緒なのでまあ当たり前ではあるんですが)、どちらもマッドハウスですものね。納得です。自分は、マッドハウス最大の代表作である「カードキャプターさくら」に人生を壊された人間なのですが、今回久々にマッドハウスの本領を見た気がしています。

脚本は吉田玲子。絶対的な安心感がありますね。先日、「たまこラブストーリー」を劇場で観てきて、この人の描く物語がさらに好きになりました。

OP主題歌も、なんともやわらかい和の雰囲気を醸していて素敵です。その中にも、アニソン特有の飛んだテンションがふんわり含まれているのは、ニャル子さんを手がけた作曲・編曲の田中秀和の成せるわざかと思います。作詞は畑亜貴、説明不要ですね。EDの歌も、また異なる切り口でほんのりと和のテイストを活かしていてとても魅力的です。こちらは、作詞・作曲・編曲を「ゆうゆP」が手掛けています。ゆうゆPはかつてBMS作家をしていたクリエイターですが、「桜の季節」を皮切りにボカロP活動をしており、中でも、フィギュア化もされた「深海少女」が特に有名ですね。今回のEDテーマソングはまさに「桜の季節」での和のテイストが受け継がれている印象です。実際、作品中には舞い散る桜吹雪の描写がたくさん出てきます。

舞台についても触れておきます。さっきも触れましたが、アニメ版「ねらわれた学園」と同じく、舞台は鎌倉の江ノ電沿線、海沿いから小高い丘のあるあたりのエリアです。「TARI TARI」ともかぶりますね。海岸越しに江ノ島を望む描写も同様です。ここ最近、「イカ娘」「つり球」あたりも含め、江ノ島~鎌倉高校前~由比ヶ浜あたりの江ノ電沿線がかなりアツいです。この作品のテーマは「よさこい」なのですが、安直に舞台を高知にしていないところがまた上手い設定ですね。

ちょっと余談ではありますが、今日、聖地巡礼っていうものが、かなり市民権を得てきました。最大の功労者は言うまでもなく「らき☆すた」であり鷲宮商工会であるのですが、そこに聖地巡礼に行きたいと視聴者に思わせる重要なファクターのひとつに、「作品中の美術のクオリティ」っていうのがあると思うんです。聖地が元来持っている魅力と、クリエイターの美術のクオリティ。これが相乗効果を発揮するとき、聖地巡礼はその意義を遺憾なく発揮すると個人的には思っています。もっとも、「らき☆すた」は聖地としての鷲宮を描いているシーンは非常に少なく美術としてのクオリティも特筆すべきものではなかったと思うので、あれはそういうところを越えた「作品そのものの持つパワー」だとは思います。で、何が言いたかったかと言うと、この「ハナヤマタ」がもし高評価で迎えられてゆけば、江ノ電沿線の聖地としての価値がさらに上がるであろうということです。自分も一応、湘南と呼ばれる地域に結構住んでいた経験があるので、これは嬉しいことです。もっとも、このあたりは藤沢市鎌倉市がごっちゃになりがちなエリアではあるんですが、聖地としての活性化は双方の自治体にメリットを及ぼしうる話ではないかとも思っているので、今後の展開に注目しています。

というわけで、「ハナヤマタ」の紹介を急遽書きました。映像のクオリティが本当に美しいです。キャラクターも本当にかわいいです。満天の月夜に舞い散る桜吹雪と、季節外れの打ち上げ花火。総じて、日本の美しさが十二分に描かれている秀逸な作品である、というのが第一話を見た感想の総括です。第一話としての掴みは完璧だと思うので、このままのクオリティを最終回まで維持してくれることを期待しています。